株式会社設立までに決めておきたい事項

①商号

 会社の名前です。株式会社●●●、あるいは●●●株式会社というように、「株式会社」という名称を使う必要があります。
 アルファベット表記も認められています。

 すでに登記されている会社と同名、同業の会社でも設立は可能ですが、設立後に問題が発生する恐れがありますので、同名の会社は避ける方が賢明です。同名の会社が存在していないか、法務局で事前確認することができます。

②本店

 会社の住所です。どこでも構いませんが、後々本店を移転する際には、再度、本店移転登記が必要となり、手間やコストがかかりますので、実際に事業を営む拠点の住所を本店と定めておきましょう。

③目的

 会社の行う事業の内容です。複数の事業を営むことも認められますが、ひとつひとつ具体的な記述が求められます。それぞれの事業内容を列記した最後に、「前各号に付帯する一切の業務」と付け加えておきましょう。

④発起人の氏名、引受株数、出資金額

 1株当たりの出資金額はいくらでも構いませんが、発起設立の場合、設立時に発行される株式の全てを発起人が引き受ける必要がありますので、この出資金額の総合計が、設立時の総出資金額となります。

⑤株式の譲渡制限

 株式会社では、会社運営に不都合な株主の参加を防ぐために、株式を第三者に譲渡する場合に、取締役の許可が必要であるとする定めを設けておくことが可能で、これを「株式の譲渡制限」といいます。

 株式の譲渡制限を設けるか否かを決定しておきます。

⑥役員、取締役の任期、監査役の任期

 現行の会社法では、代表取締役、取締役、監査役について、自由な機関設計が認められています。
 どのようなメンバーで会社を運営するのか、その人員構成や人数によって、最適な機関設計が行えるよう、十分に検討したうえで決めてください。

 また、株式会社の役員は任期の定めがあり、その任期を満了すると、役員を改選して登記しなければなりません。
 この場合、いったん任期を満了した役員を、あらためて再選することもできます。

 取締役の任期は原則2年、監査役の任期は原則4年とされていますが、株式譲渡制限の規定をけている会社は、役員の任期を最長10年まで伸長することができます。
 したがって、株式譲渡制限の規定を設けている会社は10年以内の範囲で役員の任期を定め、定款に記載しておくこととなります。

⑦発行可能株式数、設立時に発行する株式数、1株当たりの発行価額、資本金の額

 「発行可能株式数」というのは、定款を変更することなく発行可能となる株式の総数のことで、株式の譲渡制限がある場合には、この数に上限の規制はありません。

 「設立時に発行する株式数」というのは、「発行可能株式数」のうち、どれだけの株式を設立時に発行するかということで、発起設立の場合には、発起人の引受株数の総合計と一致しなければなりません。

 「1株当たりの発行価額」は、上記④で説明したとおり、いくらでも構いませんが、そのうち半分以上を資本金に組み入れなければなりません。
 資本金に組み入れなかった出資金額は「資本準備金」とすることができますが、これらの話は、法務上のテクニカルな話ですので、それほど気にする必要はありません。
 もちろん、払込総額の全額を資本金として構いません。

 なお、資本金が1,000万円未満の会社を設立すると消費税の節税が可能となります。

⑧事業年度

 決算日を決定します。決算日には、会社の決算を行い、それにもとづいて法人税を納めなければなりませんので、できるだけ先延ばししたいところですが、第1期が7ヶ月以内で終了する場合には、消費税の節税が可能となります。

⑨公告の方法

 会社法では、全ての株式会社は貸借対照表を公告する義務を課せられています。このため、公告の方法を決定しておかなければなりません。

 公告の方法として一般的なのは、「官報に掲載する」、「日刊新聞に掲載する」、「電子公告をする」の3種類ですが、現実には、ほとんどの零細株式会社は公告を行わないという違法状態を続けています。



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