これで安心 資金調達ガイド

創業者にお金を貸してくれる銀行は無い

 事業を立ち上げる以上、元手というものは必ず必要となります。
世の中、資本主義社会ですから、資本、すなわち元手を増やすために事業があるわけで、徒手空拳で成功するという夢のような話は、現実的にはお目にかかったことがありません。

 ところで、創業者の皆さんに、あらかじめ強く申しあげておかなければならないことがあります。それは、、

創業時の資金調達は極めて難しい。
ということです。

とんでもなくネガティブな話ですが、
民間金融機関は、創業者にお金を貸してくれません。

 意地悪なわけではありません。はっきりとした理由があります。その理由というのは、「実績のない事業というものの信用を判断することが極めて難しい」ということです。

 金融機関の融資審査においては、それまでの事業の実績が大きな判断材料になります。
 「一昨年がこのくらいの業績で、昨年がこのくらいの業績だったから、今年もこのくらいの業績は見込めそうですね。」
 こういう言い方をすると、いい加減な感じに聞こえるかもしれませんが、金融機関の融資判断なんて、おおむねこんな感じです。

 ところが、独立開業したばかりの事業は、過去の実績という最重要な判断材料を欠くこととなります。先ほどのような三段論法が通用しなくなっちゃいます。

 しかも、これから独立開業しようという事業者は、なんらかの新しいアイデアを事業で試そうとしていることが多いのですが、このような新規性や斬新性といったものも、判断を難しくさせる一因となります。

 実際に、設立初年度からブレイクして、わずか1年半足らずで株式公開を成功させた会社もありますが、それとは逆に、設立して2年間もの間、売上が立たず、開店休業状態を経て、今では社長が行方不明という会社もあります。

 今や知らない人がいないと言ってもよいコーヒーショップ・チェーンの「Tully’s」でさえ、創業から数年間は、金融機関から見向きもされず、門前払いされ続けたという話もあります。「Tully’s」の今日の繁栄を予測できる人は、当時、ほとんどいなかったということで、それほど事業の行く末を見極めるのは難しいのです。

 そんなわけで、民間金融機関は創業者にお金を貸しません。判断のしようがないからどうにもならないんです。「君子危うきに近寄らず」ってことで、最初っから、相手にしないと決めているわけです。

安全な資金=自己資金

安全な資金=自己資金

 まあ、そんなわけで、創業者にとって、創業資金をどのように賄うかということは、非常に困難で、非常に厄介なテーマとなってくるわけですが、考えてみれば、創業スタート段階から大きな借金を抱えているというのも、いかがなものかと思います。

 稼いでも稼いでも、お金が借金の返済に回ってしまうなんてゾッとする話です。いったい誰のために働いているのかわからなくなってしまいそうです。
 そう考えると、創業段階から借金まみれという状態にはならないというのは、却ってラッキーなことかもしれません。

 そこで、創業資金はできる限り「自己資金」を準備するべきです。言い方を変えれば、借金に頼らなくてもなんとかなる程度の自己資金を蓄えてから創業するというのが、最も安全な創業であると言えますし、ひとたび創業したのであれば、可能な限り自己資金の範囲で勝負をするという考え方こそ、最優先されるべきでしょう。

 では、「自己資金」とは、いったいどんなものかという話ですが、これは粗っぽく言っちゃえば、「自分がこれまで働きながらコツコツ貯めたお金」というところでしょうか。 貯金だけでなく、退職金であるとか、それまで持っていた株や不動産を売ってお金を作るという方法もあるでしょうし、生命保険の解約返戻金なども該当しますね。

 自分の親兄弟、友人、配偶者の周りにも頭を下げて、資金をかき集める必要があるかもしれません。

 とにかく、まずは自己資金がどのくらい準備できるかということを見極めることから始めましょう。それこそが、創業資金の調達の第1ステップです。

自己資金だけでは話にならないというときは・・・

 それにしても、やっぱり創業にはお金がかかりますね。オフィス機器から名刺や封筒、パソコンまで、ありとあらゆるものを自身で用意しなければなりませんので、初期投資は想像以上にデカくなっちゃいます。
 オフィスを借りるだけでも、保証金などのまとまったお金が必要になりますし、事業が軌道に乗るまでの期間を食いつなぐことも考えなきゃなりませんので、そのためにも、それなりの蓄えが無ければ不安です。

 自己資金をかき集めてみたものの、どうしても足りない場合はどうすればいいか?

 簡単です。あきらめるんです。

 無理をして開業してもいいことないです。おかしな金融業者の高利の事業ローンなんかに手を出してしまえば、身の破滅にもなりかねません。自己資金をじっくり貯めることとして、ここはいったん創業をあきらめるんです。

 「創業サポート倶楽部」って言っている割に、冷たいことを言うようですが、私たちだって皆さんの不幸な姿は見たくないんです。

 もちろん、当初の計画を見直して、切り詰めながら創業するっていう方法もあります。だけど、商売って、お金を使う必要があるところには、しっかりお金を使っておかないと、なかなかうまく運ばないものです。

 飲食店を始める場合だって、お店の内装にお金をかけることをケチって、みすぼらしい店を作ってしまえば、せっかくおいしい料理を作っても、誰もお店に足を運んでくれないってことが起こります。
 反対に、しっかりお金をかけて雰囲気の良いお店を作れば、それだけ繁盛しやすくなるっていう現象があるんです。

 営業面の影響をよく考えて、かけるべきところには、しっかりお金をかけることとしながら、営業上重要でないところのお金は厳しく削っていく。それでも、お金が足りないんだったら、悪いことは言わないから創業をいったん断念することが賢明です。

 かなり厳しいことを言いましたから、ひょっとするとガッカリさせちゃったかもしれませんね。
 でも、悲観ばかりしている必要はありません。創業者に融資をしてくれる金融機関も無いわけではありませんし、創業者が利用できる助成金や補助金もあるのです。



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